
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状
ひどく衝撃的な出来事を体験した後に、ふとした時に突然、その時の記憶や感情がよみがえる(フラッシュバック)、ちょっとした物音に驚く、眠れなくなる、その時の記憶を思い出しそうになる状況を避けたり、思い出せなくなることが続きます。他にも、苛立ちやすくなる、他者や自分自身を信用できなくなる、無力感など、多岐にわたります。この結果、日常生活に支障をきたすようになることもあります。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療
まずはご本人の悩み、状況、症状などについて、時に医師からの質問を交えながら、ご負担にならない範囲で把握させていただきます。PTSDの治療には抗うつ薬であるパキシルやジェイゾロフトが効果的な場合がありますが、当院では、「神田橋処方」といって漢方薬による薬物治療もおこなっています。
この処方の適応は、精神科の診断基準であるDSM(2019年時点での最新版はDSM-5)にあるPTSDのフラッシュバックに限らず、もっと日常的なものも含みます。要するに、心的外傷体験が瀕死の重傷や性被害のほかにも、会社での叱責や友人同士のケンカ、学校での級友の心無いひと言といったレベルのものでも、バッと湧き出るつらい出来事であれば適応になります。
神田橋処方は「四物湯+桂枝加芍薬湯」を基本とします。変法として、四物湯を十全大補湯と、桂枝加芍薬湯を小建中湯や桂枝加竜骨牡蛎湯などと入れ替えるものがあります。2週間ほどでフラッシュバックの頻度が減ってきます。