
うつ病の症状
うつ病では「心の症状」と「身体の症状」がみられます。
心の症状
気分が憂うつで落ち込む、寂しい、むなしい、何をしても楽しくない、興味がわかない、外出や人と会うのが億劫、食欲がない、イライラする、悪い事ばかり考えてしまう、集中できない、などの症状があります。自分を「だめな人間だ」と強く思い込んでしまうこともあり、その結果、「自分などこの世にいらない」と自殺を考え出してしまうことがあります。
いずれの症状も、自分や周囲の環境について、実際以上に否定的にとらえてしまうということが根本にあります。これらの症状は、朝に強く、夕方になると少し楽になるという場合もあるため、家族の方は夕方以降の様子を見て「たいしたことではない」と誤解してしまうこともあります。
身体の症状
不眠(寝つきが悪い、ぐっすり眠れない、よく目が覚める)、疲れ、倦怠感、頭痛、しびれ、のどの渇き、便秘、下痢、吐き気、体重減少、めまい、動悸といった、いわゆる「自律神経症状」を伴うこともよくあります。原因不明の体調不良が続くときは、うつ病も疑うべきです。
うつ病の要因
うつ病にはさまざまなタイプがあり、周囲の環境、生活上のストレス、考え方などが複雑にからみあって引き起こされます。中でも、親しい人との別れ、病気を患うなど、苦しい出来事がストレスとなり、うつ病に大きく関わっていることがあります。
また、昇進、結婚、子供の独立など、明るい転機であっても、それが急激な変化となって生活に影響を及ぼす場合には、対処することが難しく、大きなストレスとなってうつ病の要因となることもあります。
うつ病の症状でもある「否定的なものの見方」のため辞職や離婚などにつながり、結果的に本人を取り巻く環境が悪化してしまう場合があります。早めに治療を開始することが大切です。
うつ病の治療
まずはご本人の悩み、状況、症状などについて質問も交えながら、ご負担にならない範囲で把握させていただきます。治療の必要性や見通しについてお話し、治療の選択肢をご提案いたします。
薬物療法
症状に合わせて薬を処方し、作用や副作用を確認しながら薬の調整を続けていく薬物療法が基本となります。抗うつ薬を中心に、必要に応じて睡眠導入剤や抗不安薬にて調整していきます。症状や体質に応じて漢方薬を処方することもあります。
こころの休息
こころの休息を十分に確保することが大変重要です。
身体の休息とは異なり、仕事を休んでいても、休むことを苦にしながら休んでいたのでは、「こころの休息」にはなりません。したがって、本人が「今はしっかり休むべき時期だ」ということを理解して休むことが必要です。具体的には、休職・休学等の診断書を提出し、ご自宅やご実家にて1~3か月程度のお休みをとっていただくことがあります。また、お休み中も職場や学校の理解を得て十分に休養できるように、あるいは復帰後に再発しないよう負荷を減らすことができないか、環境調整を行っていくことも重要です。
休息がとれ、症状に改善がみられれば、徐々に社会復帰に向けたリハビリに入ります。
具体的には、睡眠と覚醒のリズムを整え、通勤や書類整理のリハビリのために図書館へ通うといった方法をとります。この段階で焦らず、今の自分の状態を確認しながら、現在の目標と先の目標を見定めて進むことが大切です。
また、うつ病のきっかけになったストレスを整理し、今後のストレスに対する対処方法を確認しておくことが重要です。一人で問題を抱え込まず、周囲に相談することを習慣づけることが再発を防ぐために重要です。何よりも、治療にあたって、本人と周囲がうつ病に関する正しい知識を持つことがとても重要です。このように、回復の経過に応じ、段階的な復帰などについて具体的に相談しながら治療を進めてゆきます。
休職・休学中の方には、病状に応じて、週40時間の図書館学習やデイケア(リワーク・プログラム)通所などをお勧めすることもあります。