ADHD(Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder :注意欠如・多動性障害)とは、年齢や発達に不つりあいな不注意さ、多動性、衝動性を特徴とする発達障害で、日常活動や学習に支障をきたす状態をいいます。
●不注意: 集中力が続かない、気が散りやすい、忘れっぽい
●多動性: じっとしていることが苦手、落ち着きがない
●衝動性: 思いついた行動について、行ってもよいか考える前に実行してしまう
症状のあらわれ方は様々ですが、①不注意が目立つタイプ、②多動性や衝動性が目立つタイプ、③混合タイプ、の3つに分けられます。
①不注意が目立つタイプ
忘れ物が多い、物をなくしやすい、気が散りやすい、集中力が続かない、興味あるものに集中しすぎて切り替えが難しい、ぼーっとしていて話を聞いていないように見える、他の子よりも行動がワンテンポ遅れる、字が乱れる、不器用、縄跳びなどの運動が苦手、片付けが苦手などの特徴があります。比較的目立ちにくいためADHDであることに気づかれにくく、女性に多い傾向があります。
②多動性や衝動性が目立つタイプ
落ち着きがない、授業中に立ち歩く、体を動かすことが止められない、些細なことで手を出したり大声を出したりするなどの特徴があります。ADHD全体では少数であり、「乱暴な子、反抗的な子」という目で見られてしまうことがあり、男性に多い傾向があります。
③混合タイプ
忘れ物が多い、物をなくしやすい、落ち着きがない、じっとしていられない、順番やルールが守れないなどの特徴があります。小児のADHDの8割はこのタイプといわれ、不注意、多動性、衝動性のあらわれ方の度合いは人によって異なります。